事実、サムスンはライバル企業をつぶすために手段を選ばない。例えば、新興国の薄型テレビ市場で破格の低価格品を発売し、日本メーカーを後退させた。当然のことながら、売っても赤字という「逆ざや」に陥るが、潤沢な資金を持つサムスンなら可能だ。
一方、マーケティングや消費者との関係作りにすぐれたアップル。その土台を築き上げた創業者、スティーブ・ジョブズ氏のような経営者は日本の家電各社におらず、「アップルやサムスンを目指したくても目指せない」と関係者は話す。
サムスンの成長の理由はウォン安といわれるが、それとともに日本の優秀な技術者の人材流出も指摘される。しかも、最近は日本の技術者自らが韓国企業に売り込みをかけるケースが多いという。
年収6千万円以上、専属秘書や運転手付きの車の支給…。こんな好条件をサムスンは提示するといわれるが、日本の技術者はそれだけで韓国企業に転職するのではない。