家電製品のエネルギーをコントロールするパナソニックの「AiSEG(アイセグ)」【拡大】
産官を挙げたHEMS普及加速の背景には、政府の“脱原発依存”の方針がある。政府は9月に策定した革新的エネルギー・環境戦略で「2030年代に原発稼働ゼロ」を掲げ、その穴埋め策として再生可能エネルギーや省エネの拡大を提示した。
具体的には、10年の総発電電力量1.1兆キロワット時に対し、15年に2%に当たる250億キロワット時、30年には1割に当たる1100億キロワット時の節電を達成するという目標を掲げた。
省エネの強化喫緊
その実現策をまとめたグリーン政策大綱の骨子では、積極的に取り組む5分野の一つとして「省エネの深化」を挙げた。その上で、家庭とオフィスなどの「民生部門」が日本の最終エネルギー消費量全体の約3割を占めると指摘し、世帯数やオフィスの増加で民生部門の消費量が増大するとした。
そのため、住宅やオフィスでのエネルギー効率向上が「最終消費エネルギー削減のカギ」とHEMSの全世帯普及の必要性を訴えている。