「アベノミクス」に対する海外からの主な評価【拡大】
12年3月期に巨額赤字に陥ったパナソニックとシャープはリストラに加え、円安効果が業績を下支えし、いずれも10~12月期に営業黒字を確保した。1ドル=1円の円安になれば年23億円の増益要因となるパナソニックは、為替変動で10~12月期の営業利益が30億円押し上げられた。河井英明常務は「通期でみても上振れ効果が出る」と話す。シャープも営業外で80億円の増益要因と、円安が最終赤字の縮小につながったもようだ。
株価の上昇は、保有株の評価損の縮小を通じて業績を押し上げた。会計上のルールでは、保有株の株価が取得時の半分以下になると評価損を計上する必要がある。9月末に大手銀行5グループの減損額は7100億円だったが、株価上昇によって12月末には9月末に比べて45%減の約3900億円に縮小し、3グループが最終増益を確保した。
相場の活況で株式や投資信託の販売手数料が増え、証券大手5社の12年4~12月決算も大幅に改善。3社が黒字転換し、2社が増益となった。