しかし、自己流の服用は禁物だ。また、自然環境の変化によるハーブ採取量の減少で、化学物質を混ぜた危険で低品質な商品も出回るなど、健康被害もたびたび報告されている。
ハーブ産業を健全に育成するうえで、政府の支援は不可欠だ。保健省の指針や医師の診断・処方ガイドラインといった法律の制定をはじめ、これまで遅々として進まなかった臨床試験・治験を政府が早急に行い、民間製薬会社との共同研究開発が進めば、市場拡大への新たな一歩となるだろう。(在マレーシア・ジャーナリスト 大野素子)
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【用語解説】マレーシアの伝統医療
ハーブやスパイス類を配合した施術が受けられるマレー伝統マッサージ、中国式マッサージ、インドのアーユルヴェーダなどのエステ&リラクゼーションに人気がある。
伝統医療は人々の日常生活や食習慣と密接に結びついている。老若男女を問わず、食事の際には暑気払いのため、ハト麦や数種類のハーブを煎じて作った涼茶のほか、ナツメやクコなどのドライフルーツを煮た甘いデザートの糖水を愛飲する。風邪気味のときは、漢方薬から煮だした苦茶を口にする。
ちょっとした体調管理のため、なじみの漢方店に足を運ぶ人も少なくない。大手漢方チェーン店では、症状に合わせて選べる真空パックの漢方キットが手に入る。このほか、冷えやのぼせを解消、産後の母体回復などにもハーブが使われている。