国内経済への影響について政府は新たな試算を作成中だが、例えば2006年に発効した日・マレーシア経済連携協定(EPA)ではマレーシアが中・大型車の関税50%を5年間かけて撤廃したことで、日本からの自動車輸出額は11年に842億円となり、EPA発効前から20%増加した。日本は交渉参加国のうち、米国など4カ国とEPAを結んでおらず、TPPでは一層の輸出拡大効果が期待できる。
このため、第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「海外の需要を取り込むTPP参加を抜きに成長戦略は考えられない」と語る。
さらに、知的財産や環境分野などの共通のルール作りも目指しており、結果的に国内の規制緩和につながるとして期待が大きい。規制緩和に伴い外資が国内に参入すれば「技術革新を誘発するなど関税撤廃以上の効果が見込める」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)。
オバマ大統領は首脳会談で大胆な金融緩和や機動的な財政運営を掲げるアベノミクスに一定の評価を与えた。ただ市場からは「中長期の成長戦略で(安倍政権の)真価が問われる」(熊谷氏)と指摘されており、輸出拡大や規制緩和が見込まれるTPPでの前進は大きな成果だ。