シンガポールは30年までに人口が現在の530万から690万に増加する一方、労働者の増加率は20年までが年1~2%、21~30年までが1%にとどまるとされる。政府は効率の追求と自動化の推進で労働生産性を向上させ成長を維持し、移民問題は長期的視野で取り組むとの立場だ。
これに対し中小企業協会幹部は「外国人労働者の減少が生産性の向上に直結するはずもなく、政府が生産性向上に予算を投入しているにもかかわらず実現していない」と述べ、当面の外国人労働者の必要性を訴えた。
スイス金融大手のクレディ・スイスは13年の同国経済について、生産性が劣る企業の淘汰(とうた)が始まる年になると予想。今後は高齢労働者の引退が進み、安価な労働力を要する低付加価値産業は衰退するとの見解を示している。(シンガポール支局)