化石燃料をがぶ飲みして環境に負荷を加え続ける発展モデルには、さすがに限界を感じてか、2011年に始まった第12次5カ年計画では「低炭素型経済」への転換が盛り込まれた。
だが、環境保護を経済発展の下位に置く「北京宣言」の考え方は、92年のトウ小平による「南巡講話」を境とした市場経済の急激な広がりのなかで、都合よく中国の企業や行政当局に浸透し、あげく、環境汚染を「陸(土壌)、海(海洋と淡水、地下水)、空(大気)」に広げてしまった。その結果が、いま目の前を覆う煙霧である。繰り返しだが、問題は単に北京など都市部の大気汚染にとどまらないのだ。
あまりにも深刻な環境汚染について、中国の電子商取引大手「アリババ・グループ」のCEO(最高経営責任者)、ジャック・マーこと馬雲氏が、さる2月22日に中国・黒竜江省での企業家シンポジウムでこう言及している。