誰も逃れることはできない中国大気汚染 逆説として「平等実現」 (3/3ページ)

2013.3.7 09:00

  • スモッグに覆われた北京の中心部。都市部を中心に中国の大気汚染が深刻化している

 「このたびの北京での煙霧について、私はことのほか喜んでいる。こんなに楽しかったことはない。特権階級の連中は特別な水を飲んでいるというのに、今度ばかりは特別な空気なんてものはないのだ。家に帰れば、女房子供から同じように文句を聞かされているのだから」

 市場経済の勝ち組である特権階級には海外脱出という「奥の手」があるものの、国にとどまる限り、誰も呼吸を止めて大気汚染から逃れることはできない、という道理である。

 当たり前に聞こえるが、毛沢東が説いた「絶えざる階級闘争」(継続革命論)によってではなく、大気汚染によってのみ、逆説的な形で人民の「平等」が実現されたという中国の現実は、あまりにも重すぎないだろうか。(産経新聞中国総局長 山本秀也)

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