東海沖から九州沖の「南海トラフ」で巨大地震が発生した場合、経済的な被害額は最悪で220兆3千億円に上るとの試算を18日、内閣府の作業部会が発表した。国家予算の2年分を上回り、東日本大震災の約13倍、阪神大震災の約23倍に相当する。被災地は北海道と東北6県を除く40都府県に及び、発生1週間後の避難者数は最大950万人と分析した。政府は今月中にも対策の基本方針をまとめる。
作業部会は、東日本大震災と同じマグニチュード9クラスの地震が陸に近い震源域で発生したと想定した。被害額の内訳は、道路などインフラや建物などの直接被害で169兆5千億円、生産やサービスの低下で44兆7千億円、交通網寸断で6兆1千億円。ただし建物の耐震化率を100%に高めるなど対策を徹底した場合、直接被害は半減すると分析した。