フィリピンは現在、人口増による新たな「ピープルパワー」を享受している。具体的には、労働力の安定供給、力強い消費、国外居住者からの活発な送金などだ。米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチが2月に発表したリポートに詳細をまとめた。現地紙ビジネス・ワールドなどが報じた。
リポートによると、フィリピンはアジア地域で最も出生率が高く、女性1人当たりの産児数は3.1人だ。高い出生率を背景に労働力が増し、同国の2010年から20年までの労働人口増加率はアジアで最高の31.3%になると試算される。
また、高齢者比率が低いことも強みだ。65歳以上の人口は全就労人口のわずか5.9%に過ぎない。これに対し、安価で豊富な労働力により経済が急成長した中国は昨年、就労人口がピークを過ぎて345万人減となった。今後、労働力をめぐるアジア諸国の勢力図が塗り変わることも予想される。