【現場から】
昨年4月に金融庁担当となってから、約1年が経過した。金融商品取引の利便性向上や市場の透明性を高める制度改正などが主な取材対象だが、この1年は金融事業者の不祥事が相次ぎ、その取材にも追われた。
昨年の投資一任業者「AIJ投資顧問」による年金資産消失事件に続き、今年4月には米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」による顧客資産消失事件が発覚。金融庁はMRIの業者登録を取り消し、証券取引等監視委員会が強制調査で全容解明に取り組んでいる。
共通するのは、不自然な高利回りに顧客が不信を抱かなかったことに加え、金融庁と監視委が事業報告書などの虚偽を見抜けず、事件発覚まで十分な調査をしなかったことだ。
銀行預金の金利や国債の利回りが極端に低い中、高利回りでリスクの低い商品が仮にあるなら、誰もが投資したいと思うだろう。しかし、知人の証券マンやファンドマネジャーに聞くと、明らかに問題があるという。金融行政のプロである金融庁や監視委の担当者が、なぜ不正に気づくのがこれほど遅れたのだろうか。