いわゆる“従軍”慰安婦をめぐる発言をきっかけに、ネット風に言うなら「世界的炎上」を起こしている日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長。批判に業を煮やしたか、17日には「発言を一言一句チェックしろというなら、やめます」と囲み取材の拒否を宣言した(20日に撤回)。今回は「政治家の取材拒否」の視点から、橋下氏の発言問題を考える。
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政治家の取材拒否の事例でまず思い浮かぶのは、佐藤栄作元首相だろう。昭和47年6月の退任会見で「偏向的新聞は大嫌いだ」と言って記者たちを怒らせ、記者がそろって退席した後、テレビカメラに向かって一人でしゃべり続けたのは有名だ。
橋下氏も17日の囲み取材では、朝日新聞などを名指しして「『当時』という言葉を全部はずして、橋下は『慰安婦は必要』と言ったと報道した。最低だ」「僕が皆さんに言いたいのは揚げ足を取るんじゃなくて、文脈でしっかり判断しろっていうこと」と批判を展開。テレビに積極的に出演して理解を求めているのも、佐藤元首相のケースに似ている。