湖南(こなん)省の軍需倉庫では、ソ連製の突撃自動小銃や半自動小銃、米国製カービン銃や拳銃、計27万3000丁が全て「消失」した。高級軍人と地方政府の役人が結託して転売。一部は銃器密売組織により“輸出”された。
20万平方メートルもある雲南省の軍需倉庫では軍需品の他、大災害時の救援用品や燃料、5億元以上の物資が毎年追加保管されていく。しかし、11年分の備蓄物資が許可無く売りに出た。2006年の燃料高騰時には、軽油1万7000バレルが3回に分けて“小売り”。書類上は「予備役の演習」「災害救援活動」名義だった。
野戦ベッドや軍靴・テント各20万セット、薬品を保管した広西チワン族自治区の軍需倉庫は「もぬけの殻(から)」と化した。
斯(か)くして、毎年250億~500億元の兵器・軍需物資が後送処分後“廃棄”された。換言すれば、高級軍人と地方政府の役人が結託し「役得の戦利品」を横領、代価を懐に入れていた。
調査チームは、軍事の最高指導機関・中央軍事委員会の隷下に置かれ、国防大臣を責任者に、兵站を一元管理する軍中央の「総後勤部」副部長らで構成。2年半と難航した調査が、堅牢(けんろう)な癒着構造を物語る。
だが軍需産業を実質的傘下に収める、この「総後勤部」が食わせモノ。省軍区など地方の上級部隊にも存在する各「後勤部」の高級軍人は、地方政府の役人と結び、横流しに手を染めるケースが多い。