今回示された財政健全化の目標を実現するには、社会保障改革が不可欠となる。素案でも「聖域なき見直しを行っていく必要がある」と明記し、高齢者医療の自己負担や生活保護給付の見直しに言及するなど社会保障改革を徹底的に進める姿勢を鮮明にした。
しかし健全化に向けた道のりは平坦(へいたん)でない。総額10兆円規模の景気対策で国の借金は逆に膨らんでいる状態だ。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は、財政健全化目標の実現には「社会保障改革など痛みを伴う改革に加え、経済の潜在成長率を引き上げる必要がある」と指摘する。
日本の中期的な経済成長の可能性を示す「潜在成長率」は、13年の1~3月期で0.8%と、ピークの1987~88年に比べ6分の1に縮小。成長率を伸ばすには設備投資と労働、生産の拡大が不可欠だ。
斎藤氏は「限られた財源の中で政府支出を増やさず、財政健全化と成長戦略をどう実現するか、安倍政権の真価が問われる」と話している。