また、配給する農産物は政府が買い取るが、大量の農産物を直接買い取ることで、品質向上への意識が薄れるなど農家への心理的影響が生じると懸念する意見もある。コメと小麦を例に取ると、実施に必要な総量は現在の年間生産量約2億トンの3分の1に当たる6100万トンに達するとみられており、市場への影響も必至だ。
その他にも人口増や物価上昇などで政府支出が増加した場合に配給を維持できるのか、食糧が配給に至る前に半分が消失しているとされる公共配給制度の改革はどうするかなど、同法案実施には問題が山積している。
食糧安全保障法は09年の総選挙時の公約だったこともあり、与党(国民会議派)は来年5月に予定されている次回総選挙までに実施に移したい考えだ。
汚職やスキャンダルから目をそらすための大衆迎合政策だとする反対派の厳しい声が上がる中、シン政権は難しいかじ取りを迫られている。(ニューデリー支局)