専門家は、訓練・教育が行き届いていないために経験不足や職業意識の希薄さといった問題を抱える観光業従事者が多く、質の高いサービスを提供できずにいると分析。職業訓練校などで企業の求人要件を満たす即戦力の人材を育成していく必要があるとしている。
また、多様化する観光ニーズへの対応も求められている。
現在、インターネットを利用したホテルやツアーの予約は全体の10%程度だが、今後は数年で20~30%に増加すると見込まれている。このため通信インフラの整備やIT(情報技術)機器の導入、人員の配置も必要だ。
このほかにも業界からは、船舶を使用したメコン川遊覧の需要が高まっており、近隣諸国の政府や観光業者との調整・協力の必要性が増しているとの声もあがっている。
国連世界観光機関によると、今後、アジアの観光市場の成長率は年5~6%で推移し、世界の同3~4%を上回る見通しだ。域内各国がこぞって観光産業に注力するなか、ベトナムでも官民を挙げた一層の努力が必要となりそうだ。(シンガポール支局)