米格付け大手ムーディーズは、同政策を続行すれば財政赤字が拡大し、タイ政府による削減努力をのみ込む恐れがあると指摘、「17年までに均衡予算を実現するという目標の達成を危うくする」と警告した。
また、民間政策調査機関のタイ開発研究所は、11年に発足して以降のインラック首相の政権運営について、同首相の兄で01~06年に政権の座についたタクシン元首相を引き合いに出して、「大衆迎合に拍車がかかった」と批判している。
同研究所は、タクシン政権は大衆迎合とされながらも健康保険制度の推進や「1タンボン1製品運動」(日本の一村一品運動に相当)など、大多数の国民の利益を実現し、地方の発展に貢献した側面があったと分析。そのうえで、インラック政権については自動車購入優遇政策や農家の所得補償政策など、「選挙を意識し、一部の人々のための政策実現に躍起になっている」と指摘した。特にコメ政策に関しては「市場を破壊し、経済に損失を与えている」と手厳しい。
高まりつつある各方面からの批判をかわしつつ経済成長を実現し、財政赤字削減を着実に実行できるかどうか。インラック政権は正念場を迎えている。(シンガポール支局)