不況で閉めた会社もあるが、技術的に自分たちが追い抜いた会社も多い、という意味だ。
建築や工業デザインのモデルやプロトタイプを作る。ジュエリーの少量生産やアーティストから作品制作の依頼も受ける。
「アートは全く新しい発想を強いられることが多く、それが工業デザインのモデルを作る時に役立ったりするんだ」
また、「挑戦するデザイナー」もやってくる。大企業では採用してもらえないアイデアをベンチャーで何とか実現したいと願う若手たちが、工房のサイズと力量を頼りにする。LEDで生まれ変わりつつある照明器具などが一例だ。
ただ主力ビジネスはオートバイの部品だ。それもハーレーダビッドソンの燃料タンクやエアロパーツなどを独自に開発しオンラインで販売する。BMWでもドゥカッティでもない。対抗馬が多すぎる自転車でもない。彼自身もハーレーダビッドソンに乗りコミュニティにも参加する。そのなかでどういうパーツが求められているかをリサーチし次のネタを考える。
国境を越えて商売することに興味がない。パートナーと自分のリアルな身体を動かしてまかなえる範囲内で、自分たちにしかできないことに徹底してこだわる。ドイツで生まれドイツとイタリアの国籍をもつ彼が、外の世界に関心がないわけではない。
「日本にぼくが理想とする会社があってね、訪ねてみたいと思うよ」と語りながら、「身の丈のビジネスをするのが理想だね」と付け加えるのだ。