同日発表した2013年版「世界貿易投資報告」によると、12年の世界の企業などによる自国外への直接投資額は、欧州などの景気減速で3年ぶりに減少した。一方、日本からの海外への直接投資は前年比12.5%増の1224億ドルと2年連続で増え、08年に次ぐ第2の高水準だった。
投資先の国別では景気が回復しつつある米国向けが、自動車関連などの投資が増え前年比2.2倍の320億ドルに拡大した。中国向けは微増の134億ドル、タイ洪水の影響で落ち込んだASEAN向けは143億ドルだった。
日本企業の投資拡大でアジアでの収益性が向上すれば、安倍晋三政権が力を入れる、海外から得られる利子や配当などを加えた「1人当たり国民総所得(GNI)引き上げに貢献する」(梶田課長)。なお、12年の世界貿易額(輸出ベース)は、推計で前年比0.02%増の17兆9770億ドルとわずかだが過去最高を更新した。