協力事業は2001年に終了した。ベテラン商社マンは「先人が苦労を重ね、がんばった歴史が日本人への信頼となってわれわれの仕事のなかにも生きているのを感じる」と話す。
ただ、別の商社マンは日本の存在感が急速に薄れつつあると感じる。その間隙(かんげき)に入り込もうとするのが中国だ。
「日本にダメージを与えられることはすべてやる。中国お得意の窓口規制じゃないのか…」
こんな疑念が穀物業界に広がっていた。
総合商社の丸紅が昨年5月、米国穀物集荷3位のガビロンを約2800億円で買収すると発表し、昨年9月に終えるはずだった買収手続きが7月上旬、ようやく完了した。冒頭の疑念は、自国の市場に影響が及ぶ合併などを審査する中国独禁当局が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化への報復として審査を遅らせた、という周囲の見方だ。
大豆にこだわる理由
「中国で独禁法の申請案件が増え、独禁当局の人手が不足していると考えている。当局から出された買収の条件も、2社の間にファイアウオール(仕切り)を作りなさいと言っているだけで、マイナスにはならないと会社として判断した」