【知りたがり女子のナットク経済学】
失業率が12%を超えているのに、ユーロ圏諸国の株式市場は上昇しています。すでに欧州債務危機は過ぎ去ったのでしょうか?9月に控えるドイツの総選挙に注目が集まっています。
ユーロ圏の失業率は、2011年4月以来増加の一途をたどり、現在では12%(6月分)を超えています。しかし、ドイツのDAX指数をはじめユーロ圏諸国の株は、ほぼ右肩上がりの展開です。景気が悪いのに、なぜ株高になるのでしょうか?
それは、ユーロ圏の中央銀行であるECB(欧州中央銀行)が、「景気がよくなるまで長期で金融緩和を行なう」というメッセージを資本市場に発したからです。資本市場では、「ECBは何が何でもユーロ圏経済を回復させるつもりだ」と、その覚悟を感じたのでしょう。それをきっかけに、ユーロ圏の株式は一気に買われました。景気が悪くても、金融緩和を行なうことで起こる株高を「不景気の株高」(=金融相場)といいます。