一方、同国の観光業の課題として輸送や通信インフラの整備の遅れを指摘する声も依然として多い。タイ観光協議会幹部が「高速鉄道の設置で沿線の観光開発も進む」と述べたほか、国内観光協会幹部も「治安が最優先課題なのは当然だが、情報の収集・発信能力の向上も重要だ」としている。
ASEAN各国は雇用の増加や収入の確保につながる観光業の育成・強化にこぞって注力している。自国の観光業の成長に自信を深めるタイだが、マレーシアやインドネシアなども観光拠点を目指すとしており、域内外からの観光客呼び込みで各国の競争は激しさを増していきそうだ。(シンガポール支局)