政府・自民党は7日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の関税交渉をめぐり、コメ、麦などの重要農産品5分野のうち、飼料用や加工品など国内農業への影響が少ない品目の関税を撤廃・削減する方針を固めた。1分野の関税をすべて撤廃するのではなく、品目の一部を市場開放して「聖域5分野」を死守することで、95%程度の自由化率が達成できる。撤廃対象の品目を生産する農家には、収入減に応じた補助金などで激変緩和策を講じることで調整を進める。
政府は、今後大詰めを迎える協議で農産品の開放を強く求められて拒否すれば、TPP交渉自体が頓挫しかねず、日本の国益にも響くと判断した。
農産品5分野は関税分類上、586品目に細分化される。内訳は、コメ58、麦(小麦・大麦)109、牛肉・豚肉100、乳製品188、甘味資源作(さとうきびなど)131。全関税分野9018品目中、5分野を除く分野の関税を全部撤廃しても自由化率は93.5%にとどまる。交渉参加国の間では90%台後半を求める声が強い。