停滞の大国尻目、カンボジア堅調 東南ア13年成長率 4.9%に下方修正 (3/3ページ)

2013.10.9 07:22

 また、13年上期にカンボジアを訪れた観光客は約210万人となり、前年同期より2割近く伸びている。観光客の増加に伴い、サービス分野の成長もみられる。農業分野も順調な伸びを示すと改訂版は予測しているが、カンボジア国内では現在、洪水の被害が少なくとも6州に拡大しており、今後の影響が懸念される。

中国減速がリスク

 ADBの経済成長見通しは、アジア太平洋地域の途上国(日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く45カ国・地域)の経済を調査・分析したもので、毎年4月に発表され、同年後半に改訂される。今回の改訂版は、45カ国・地域全体のGDP伸び率を6.0%としており、4月の発表時より0.6ポイント下方修正した。ADBは「域内2大国である中国とインドの経済成長が予想よりも弱かったことと、米国の量的緩和政策をめぐる世界金融の不安定な動きが、アジア太平洋地域の成長に影響するのでは」と指摘した。

 カンボジアにとって中国は、投資や援助で官民ともに経済活動には欠かせない存在になっている。改訂版では、中国の13年成長率は7.6%(4月は8.2%)、14年は7.4%(同8.0%)と4月時点から下方修正されている。カンボジアを含む東南アジア諸国にとって、主要な経済パートナーである中国のゆるやかな成長減速は今後も続くとみられ、それぞれが長期的な対応策を迫られることになるだろう。(月刊邦字誌「プノン」編集長 木村文)

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