米政府機関閉鎖が暮らしに影響 住宅ローン遅れ、融資も縮小 (1/2ページ)

2013.10.9 21:44

 【ワシントン=柿内公輔】政府機関が一部閉鎖された米国で、国民に身近な経済への影響がじわじわと広がっている。景気を下支えする住宅市場でローン審査が遅れ、中小企業向け融資も縮小。統計などの情報開示も滞り、業者や投資家は頭を抱えている。

 「物件はたくさんありますが、少しお待ちいただくかもしれません…」

 メリーランド州に住む建設会社勤務のパウロ・カルロスさん(36)は最近、住宅購入について相談している不動産会社からくぎを刺された。

 政府機関閉鎖で内国歳入庁(IRS)の職員が9割も自宅待機となり、ローン審査に必要な納税証明書の入手や、社会保障番号の照会などの作業が滞り始めているという。ローン保証を行っている連邦住宅局(FHA)も、融資の承認業務を行う職員が大幅に減らされている。カルロスさんは「建設業界は景気に左右されやすいので、いつ自分がリストラされるかもしれない」と戸惑いを隠さない。

 中小企業庁(SBA)による政府の融資保証にも影響が広がる。8日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、ペンシルベニア州にフランス料理店を来月オープンする女性が、SBAから移民局への在留資格の照会が滞っているため融資を待たされている事例を紹介した。同紙は、困った零細事業者が高利貸に駆け込まないか心配する業界関係者の見方を伝えた。

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