--大阪都構想の展望は
橋下氏自身は引き続き都構想を進める考えを表明してはいます。堺市の参加が事実上なくなったことで、都構想の帰趨は分かりませんが、府と市の二重行政の無駄の排除であるとか、都市としての競争力強化といった目的は、私たちも理解はできます。
また、道州制を見据え、大阪都構想のみならず、愛知県と名古屋市による中京都構想をはじめ、さまざまな自治体から新たな大都市制度の構築に向けた動きも見られます。もちろん、地方の活力を高めることは重要ですが、国家の一体性を損なう方向での分権論議には与することはできません。
国家機能を縮小させ、国をバラバラにしかねない道州制ではなく、日本を強く豊かにするために、リニア新幹線の早期開業や空の交通網の整備などの交通革命により、中央と地方の距離と格差を縮めるべきではないでしょうか。
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【プロフィル】釈量子
しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。