麻生氏の発言の背景には、このバランス重視路線への転換を日本が先取りしているとの自負がある。「アベノミクスがうまくいっていることもあって、各国は日本を批判できない」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)事情も見逃せない。
もっとも、日本の財政再建は「各国より周回遅れ」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミスト)なのが事実だ。国内総生産(GDP)に対する債務残高は、イタリアの約140%、米国や英国の約110%に対し、日本は約230%と突出しており、依然リスクとして見なされる。
それだけに、今後の消費税率10%への引き上げなどを着実に進めなければ、再び各国からの非難が集まることは避けられそうにない。(平尾孝)