日本側はEUが自動車にかけている関税(10%)などの撤廃を求める方針。EU側は自動車部品関税(3~4.5%)の撤廃を認めて譲歩の姿勢を示しつつ、日本がチーズ(約30%)やワイン(15%または1リットル当たり125円)など加工食品にかけている関税の撤廃を要求する構えだ。
EU側はTPPと同程度の関税削減を求めているとされるが、日本政府は、TPP交渉の重要5分野でもある乳製品のチーズで関税撤廃に応じれば「TPP交渉でも譲歩を迫られる」(交渉筋)と警戒しており、激しい駆け引きが予想される。
また、日中韓3カ国は11月にも日本で開かれるFTA交渉の第3回会合に向け、22、23日に準備会合を開く。日本側は「TPP交渉の進展で、中国や韓国は危機感を募らせている」(経済産業省幹部)と分析。今後もTPP交渉の早期妥結に尽力し、通商ルール作りの主導権争いで中国、韓国を牽制(けんせい)する方針だ。