来年4月に消費税が8%になります。近頃は、全国の商工会議所などから消費税転嫁対策セミナーの講師として呼ばれることがあります。最近はニュースでも話題になっていますが、身近な税金の割に意外と知らないことも多いのが消費税です。
例えば「消費税の納付額の計算は?」と、中小企業の経営者に尋ねると、多くは「売上額の5%」と答えます。しかし、それは×。正しくは「売上時にお客さまから受取った消費税額-仕入れ時に支払った消費税額(本則課税の場合)」となります。消費税率5%では、1万500円で仕入れた商品を2万1000円で売ると、納付する消費税は1000円ではなく「1000円-500円」で500円となります。しかも差し引かれる消費税額は、直接的な仕入れ商品だけではありません。機械、備品、消耗品などの購入時に支払った消費税も、差し引かれる対象に入ります。
また商品単価が小さい小売業の場合、一つ一つの消費税額も小さいため、消費税率アップの影響を実感しにくいことも挙げられます。その影響は、まるでボディーブローのようにじわじわと効いてきます。中小企業の経営者に「年間の売り上げが同じとした場合、消費税率が5%から8%に上がると、納付額が現状からどれくらい上がると思いますか?」と尋ねると「3%かな」「6%ぐらいでは?」という声が聞かれます。しかし正解は約60%のアップ! 仮の話として、5%時に消費税を80万円納付していて、8%時に同程度の売り上げだったとすると、その時の消費税納付額は約128万円になり48万円もアップするのです。一つ一つは小さいけれど、塵も積もれば山となる…、これが消費税の落とし穴でもあります。納税のための預金(プール)も、考えたいところです。