世界経済に回復の兆しが見え始める中、西側諸国に「中国投資環境悪化論」が広がっている。
西側メディアの報道によれば、中国で外資優遇措置の撤廃をはじめとする外資排斥の動きが見られるほか、政府の管理体制の不備や投資コストの増大といった問題が浮き彫りになっており、投資のメリットが薄れてきているという。
◆世界経済の構造変化
では実態はどうなのだろう。専門家は、金融危機による世界経済の構造変化を背景とする西側諸国の思惑を指摘する。
このところ中国では、一部の外資企業から、政府調達制度の不透明さや知的財産権保護制度の不備を訴える声や、金融など一部業界における外資への規制に対する不服の声が上がっている。人件費の高騰による投資コストの増大や、外資優遇措置の廃止に不満を募らせる企業も少なくない。
西側メディアも、中国に進出する外資企業による贈賄や市場の独占、品質問題といった不祥事が相次いでいるにもかかわらず、自国企業の不正を取り上げるどころか、中国の投資環境の揚げ足を取る報道に終始。そこには中国からの資本引き揚げを示唆する意図が見え隠れする。
中国商務省国際貿易経済合作研究院国際市場研究部の白明副主任が指摘するとおり、金融危機で世界の経済構造に変化が生じ、欧米や日本など西側諸国は海外に流出した資本や産業を自国に呼び戻そうと必死なのだ。
中国から資本が流出すれば、中国の産業構造や経済成長方式の転換が遅れ、地域の「再均衡」や自国の「再工業化」のための時間稼ぎもできる。つまり「中国投資環境悪化論」は、資本の流れを自国に戻そうと企む西側諸国の“中傷”にすぎないのである。