しかし、現時点で「中央線が完成すれば、北京の水不足は解消される」と断定するのは時期尚早だろう。
本誌(中国経済週刊)が第39号(10月4日)で報じたとおり、ここ数年、漢江や丹江流域で降水量が減少しているほか、周辺の水使用量も増加し、中央線の水源である丹江口ダムの流入量が激減しているからだ。
流入量の多寡は各地への供水に直接影響を及ぼす。1999年のように丹江口ダムの流入量が146億立方メートル程度にとどまるようなことがあれば、その年の北部地域への供水は断念せざるを得ないだろう。
また、北京市南水北調プロジェクト建設委員会弁公室の関係者によると、中央線の供水量は年平均では10億5000万立方メートルとなる計画だが、最大時は16億立方メートル、最小時は8億立方メートルと年間を通じてむらがある。流入量も1日の最大値が520万立方メートルなのに対し、最小値は70万立方メートルと振り幅が極めて大きい。