一般法人の農業参入数【拡大】
ただ、農水省は「日本は地価が高く、農地の取得価格は借り入れ料の100年分に当たる。投資の回収は難しく、企業も貸借方式を望んでいる」と企業の農地保有の全面解禁には慎重だ。
小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスも、販売期限が切れた食品を堆肥としてリサイクルし、野菜などを栽培する「セブンファーム」を全国9カ所で展開し、そのうち千葉県富里市など2カ所は農協と共同出資する農業生産法人だが、いずれも農地は借り入れだ。
兼業農家も含めて農業を主な仕事にしている「基幹的農業従事者」は10年に205万人と、20年前から3割減少。平均年齢も66歳と高齢化し、後継者不足が深刻だ。その対策として「農林水産業・地域の活力創造本部」(議長・安倍首相)は企業の参入加速を提示。一部地域で規制緩和を先行実施する「国家戦略特区」でも農業生産法人の設立条件を緩める方向だ。
政府は11月末までに農業強化策を示すが、農業の新たな担い手を育て、反転攻勢を実現する道筋を描くことができるか。日本の農業は再生に向け、大きな岐路に立っている。(会田聡)