インドの農村部でコーラの販売合戦が熾烈(しれつ)さを増している。20年来に及ぶ米飲料大手2社コカ・コーラとペプシコの戦いは主戦場を都市部から農村部に移し、両社ともシェア獲得に向けて攻勢をかけている。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。
世界飲料最大手のコカ・コーラの現地法人コカ・コーラ・インディアは、約18万の個人商店の売り上げ増を目指した「パリバルタン」プログラムに続き、地方の配達業者向けに顧客管理などを含む教育プログラムを立ち上げた。
季節限定商品を脱却
同社の副社長は「農村部での需要に対応できるよう、供給網の拡大と整備が急務だ。商品の普及と売り上げ増で、コカ・コーラを季節限定商品から脱却させたい」と農村部での戦略に注力する方針を説明する。
一方、世界第2位のペプシコの現地法人ペプシコ・インディアも、ここ3年間で農村部の商店など15万カ所に商品の供給を開始した。同社の飲料部門担当責任者は「市場の伸びは都市部よりも農村部の方が大きい。今後も積極的に農村部での販売拡大に投資していく」と強気の姿勢だ。