一方で今夏以降、米国や中国がクリスマスや春節(旧正月)需要向けのエビを確保するため各地で買い付けを活発化。日本の百貨店でも来年のおせち料理のため「ほとんどが今秋までに調達済み」(大手百貨店)と、買い込んだ。
こうした動きが重なりバナメイエビの需給逼迫を招いており、価格は「しばらく高止まりする」(大手商社)見通しだ。
エビの値上がりは円安、素材高に苦しむ外食産業に追い打ちをかけている。ロイヤルホールディングスは天丼チェーン「天丼てんや」で、エビ天2本が入った「上天丼」や「海老天そば(うどん)」の販売を原則終了したほどだ。
中国の需要2倍超に
病害発生による供給減は想定外としても、そもそもエビの価格を押し上げる圧力は高まっていた。
エビは文明が爛熟期に入った国や地域で好まれるともされ今後、途上国で需要が高まるのは必至。実際、中国ではこの10年間で需要が2倍超になったといい、世界的なエビ争奪戦の時代に入るかもしれない。