最前線にいるのが総合商社だ。例えば三井物産は、ベトナムのエビ養殖・加工最大手、ミンフー・シーフード傘下の加工事業会社に、子会社を通じて資本参加。今年は昨年に比べ5割増の1万5000トンのエビ加工品を生産する計画で、5年後に最大4万トンに増産する考えだ。
このほか、三菱商事はタイで、双日はインドネシアでそれぞれエビ養殖事業に参画し、丸紅もタイのエビ加工業者と提携した。
一方、日本国内では、独立行政法人国際農林水産業研究センター、民間でエビ養殖技術の研究開発を手掛けるIMT(東京)などが「屋内型エビ生産システム」を開発した。外部から閉鎖された設備で淡水を使ってバナメイエビを育てる。病害の心配がないといい、新潟県に設置した養殖場では出荷もしている。
こうした取り組みが見込み通りの成果を上げていけば、いずれエビの価格も落ち着いてくるはずだ。
果たして、バナメイエビは家庭の食卓の味であり続けるのか、それとも日本の高級レストランや料亭のメニューに「バナメイエビのチリソース煮」「バナメイエビの天ぷら」と堂々と書かれる日が来るのか?