10月末には国土交通省が主導し、ゼネコンや電機メーカーなど82社・団体が参画する産学官連携の「日露都市環境協議会」が立ち上がった。モスクワなどの交通渋滞や老朽化する上下水道、ゴミ処理といった都市インフラを丸ごと売り込む。
日露間の経済連携が進む中、遅々として進まない極東開発に日本の協力を求める。エネルギー分野では、伊藤忠商事などが官民一体で進めるウラジオストクの大規模液化天然ガス(LNG)プラント計画が進む。丸紅も6月、国営石油最大手ロスネフチが計画する極東LNGからの輸入契約を結んだ。ロスネフチには三井物産も接近。10月にマガダン沖の石油探鉱を含め大陸棚と東シベリアの石油・天然ガス開発協力で覚書を交わし、極東ナホトカ地区の大型石油コンビナート計画の企業化調査でも合意した。
この石油コンビナートは、企業連合で取り組む大型の国家プロジェクトになる可能性も秘める。三井物産モスクワの目黒祐志社長は「極東の雇用創出や産業高度化に貢献できる」と意義を強調する。人口減少に歯止めがかからない極東で化学や肥料などの産業が育てば、エネルギーに頼るロシアの産業構造改革にもつながるからだ。