【ワシントン=柿内公輔】アップルなどの米IT(情報技術)企業がイスラエルへのM&A(企業の合併・買収)を活発化させている。同国の高度な研究や軍事力に裏打ちされた技術と人材を取り込み、最先端の製品開発に生かすためだ。新興国も触手を伸ばしており、中東のIT大国は「第2のシリコンバレー」として脚光を浴びている。
「イスラエルの高い技術力が、米国の製造業に『革命』を起こしている」
データをもとに立体の造形物を作ることができる3D(3次元)プリンターで世界一のシェアを持つ米ストラタシスの関係者は、昨年合併したイスラエル企業オブジェットの実力に目を見張る。同社の最高経営責任者(CEO)だったデイビッド・ライス氏がストラタシスのCEOを引き継ぎ、本社機能は今もイスラエルにも置かれている。
イスラエルの経済紙カルカリストは17日、アップルがイスラエル企業のプライムセンスを買収したと報じた。同社が開発する人の動きを感知するセンサーは米マイクロソフト(MS)のゲーム機にも使われている。イスラエルの地図ソフト開発のウェイズは、米グーグルや米フェイスブックなどによる買収合戦の末、競り勝ったグーグルが6月に買収した。