知り合いの旅行会社社長などは、今年度上期(4~9月)だけで昨年度分の売り上げを稼いだという。ミャンマーでは上期は雨期にあたるため、下期に比べると売り上げは少ないのが普通だというが、その上期で前年度分を売り上げたのだから「この調子なら、今年度の売り上げは前年度の3倍から4倍だ」と鼻息は荒い。
10月の売り上げが1億チャット(約1000万円)を超えたとかで、「最近はいったい手元にいくら金があるのか、わからない。数える暇もないほど忙しい」と言うので、嫌みの一つも言いたくなったほどだ。
◆急騰する不動産
有卦(うけ)に入(い)っているのは、彼に限らない。ヤンゴンでは、急増する外国企業や外国人訪問客が必要とするオフィスビルやホテル、住居を早急に確保する必要に迫られている。それには、新しいビルを建てるだけでは追いつかないことから古いコンドミニアムやオフィスビルを改装し、オフィスや外国人向けの住居にする動きが活発化している。
友人が住むコンドミニアムも築40年近いが、ヤンゴン中心部で約100平方メートルの広さと、屋上に駐車場が付いていることもあって、不動産業者から約1500万円で売らないかと、持ちかけられたという。
そろそろ、現役引退を考えていただけに心が動いたものの、周囲の不動産の値段がそれ以上に高騰しており、手元に現金を残すどころか、よほど郊外でないと新しく住む家さえ買えないことがわかり、売るのを断念したという。
「まさにバブルだね」。日本でもかつて不動産バブルがあったことを話すと、友人はこう言って、少し残念そうな表情を見せた。
12月には東南アジア競技大会(SEA Games)が開かれ、来年には東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国として、一連の国際会議が開かれるミャンマーには今後もさらに多くの外国人訪問客があふれるだろう。ミャンマーの人々だけでなく、われわれもまた、バブルに踊っているのかもしれない。(ヤンゴン 宮野弘之)