【海外進出支援の現場から】マレーシア ハラル認証で商機拡大 (1/3ページ)

2013.11.26 05:00

 □島田領・みずほ銀行直投支援部参事役

 【問題】

 A社は、中国・台湾・タイなどに飲食ビジネスを展開。各地のビジネスがおおむね軌道に乗ってきた。海外展開に自信をつけたA社は、イスラム圏をターゲットとしたビジネス展開を計画している。

 「今後はマレーシアやインドネシアなどのイスラム圏で飲食ビジネスを広げたい。イスラム圏の人々は豚を食べてはいけないというし、アルコールも飲んではいけないらしい。当社の飲食メニューは豚・アルコールを使わない料理を提供することが可能だが、それだけでよいのだろうか」「まずは東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも発展しているマレーシアの進出を検討したいので、留意点を教えてほしい」

 経営コンサルタントにはこうした情報提供のサポート要請があった。

 【対策】

 マレーシアの民族構成は「マレー系マレー人:中華系マレー人:インド系マレー人=6:3:1」といわれている。つまり、人口のほぼ6割がイスラム教徒であり、内需向けの食品加工・飲食業での進出を検討している場合、一般的にはハラル(「シャリア」とよばれるイスラム教の教えにのっとった食品・物品)の認証を取得したほうが、ビジネスチャンスが大きいと思われる。

 では、ハラルとはどういうものなのか。あいにく、単純に豚やアルコールを使わなければよいというものではなく、以下、少し説明していきたい。

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