【シンガポール=会田聡、坂本一之】シンガポールで開催中の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合に参加している西村康稔内閣府副大臣は9日夜、米国との協議について、「(意見の)隔たりは縮まっていない。(会合が閉幕する)10日までにまとめるのは非常に厳しい状況だ」と述べ、合意の先延ばしを示唆した。米国はこの日の会合で合意文書の素案を提示。12カ国は「年内妥結」を目指しているが、交渉を主導する日米の関税などの合意が得られなければ「部分合意」にとどまる可能性もある。
西村副大臣は9日午前、米通商代表部(USTR)のフロマン代表と前日に続き会談。日本側はコメなど農産品の重要5分野の関税維持に改めて理解を求めたが、米国は全貿易品目の関税撤廃を求める強硬な姿勢を崩していない。
日本側は5分野に一定輸入量まで関税を引き下げる特別枠を設けることも検討。自動車分野では米国が要求している安全基準の緩和や、日本車の輸入が急増した際に米国の関税引き上げを可能にする「特別緊急輸入制限(セーフガード)」の発動条件などでもぎりぎりの調整を続けており、妥協点を探っている。