これに対し、インドネシア雇用者協会は、同国の現地メーカーが製造するのはビールがほとんどだと指摘。ワインや蒸留酒を輸入に依存している現状では、政府の生産拡大方針は供給不足解消にはつながらないと主張する。むしろ外資規制を緩和した方が雇用創出と税収増にも貢献するとの立場だ。
また、需要を牽引(けんいん)する観光客と接する立場の観光業界からも声が上がる。地場ホテルチェーン幹部が「国産ワインも入荷しているが、品質で輸入品に遠く及ばない」として外資参入を認めるべきだと話す一方、ホテル・レストラン協会幹部は政府方針を歓迎する意向を示すなど、こちらの意見はさまざまだ。
国民の9割がイスラム教徒の同国は欧米文化に寛容な傾向があるものの、アルコール飲料の販売自体を禁止すべきだという声も根強く残る。大統領選挙を来年に控えて微妙な問題となりかねないだけに、政府は慎重な対応を迫られているといえそうだ。(シンガポール支局)