インドネシアで未加工鉱石の輸出禁止の開始が12日に迫っている。資源輸出への依存度を低減して高付加価値製品の輸出を増加させるための措置。禁輸が実施されると、短期的には輸出の大幅な後退が免れず、鉱業会社などの反発が高まっている。米金融大手シティグループによると、禁輸で年間輸出額は50億ドル(約5246億円)程度減少する見通しだ。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
同国は2009年に新鉱業法を制定。国内で採取した鉱石を加工してから輸出するよう義務付けていた。政府の決定はこの法律を本格的に適用するもので、インドネシアで活動し、加工施設を持たない鉱業各社は、原則として同国内に加工施設を建設して加工品を輸出するか、加工施設を持つ企業に未加工鉱石の売却を迫られる。
新鉱業法制定以降、鉱業各社のなかでは加工施設を建設する動きもみられたが、現在までに政府に提出された新設計画117件のうち実行段階に進んだのは23件のみ。大半の計画は禁輸実施に間に合わない状況だ。鉱業各社や業界団体は性急だとして延期や条件付きの運用を求めているが、議会は4年間の準備期間があったと冷たい反応を示している。