今月、韓国のキムジャン(キムチをつくって親類などと分け合う文化)が、日本の和食などと並んで国連教育科学文化機関(ユネスコ)の人類無形文化遺産に登録された。現地英字紙コリア・タイムズなどが報じた。
2011年のユネスコ調査によると、キムチを1日に1度以上食べると回答した韓国人の割合は95%に達した。3食すべてに添えたいと答えた人も64%に上るなど、キムチは同国の食文化に欠かせない存在だ。
しかし、近年は国産のキムチが中国産に取って代わられる状況が続く。中国産の生産コストが1キロ当たり約800ウォン(約78円)と、国産の約3000ウォンより安いのが要因だ。06年以降、09年を除いて輸入が輸出を上回る「キムチ赤字」の状態となっており、昨年の輸入額も1億1080万ドル(約113億8100万円)と輸出額の1億660万ドルを上回った。
価値観の変化とともにキムジャンを重視しない層が増加しつつあるという調査結果もあり、文化遺産登録は自国文化を見つめ直すきっかけとなりそうだ。