タイ政府は、デモが先鋭化する前の11月18日、今年の経済成長率予測を3%に下方修正した。来年は4~5%としているが、今後も政情不安が続けば、観光業のみならず、多くの産業に悪影響が波及しかねず、3%を下回るとの見方も出てきた。インラック政権には追加の経済対策が求められるが、選挙管理内閣となってしまった今は、打つ手もないのが実情だ。
◆日系企業にも影響
一方、タイに進出している日系企業は約7700社と多く、海外からの投資の約6割を日本が占める。工業団地や舗装道路網が整備されていることなどが、日系企業をタイに引きつけている要因。部材などのサプライチェーン(供給網)も充実しており、「やはり海外進出するならタイという企業が多い」(ジェトロ・バンコク事務所)という実態がある。
また、15年の経済共同体設立を予定しているASEANは、日本企業にとり成長が見込める大きな経済圏で、タイはその中心に位置する。デモが長期化するにつれ、多くの日系企業幹部からは「早く政権を安定させ、景気対策や産業構造改革を進めてほしい」との声が、日増しに高まっている。(シンガポール 吉村英輝)