インドネシア、国民7割加入の新社会保険制度 医療費無料など来年始動 (2/2ページ)

2013.12.26 07:00

 新組織の立ち上げにともなって政府が準備した資金は25兆ルピア(約2150億円)。加入者から毎月徴収する保険料は月収の5%で、14年の保険料総額は42兆7000億ルピアを見込む。

 しかし、新組織の発足には懸念の声も根強い。企業経営者などで構成するインドネシア雇用者協会は、既に民間の保険会社と契約して従業員を加入させている企業にとっては痛手になると主張。協会幹部は「公的な保険が民間の保険より保障内容の面で優れているかどうかもわからない」と述べ、2年程度の準備・移行期間をつくるべきだとの見解を表明した。

 こうした声に対し、政府関係者はBPJS発足について、すべての国民に社会保障を受ける権利があるとした憲法の趣旨に沿った決定だと強調。アスケスの運営に関わってきた幹部も「国営の保険会社やヘルスセンターをはじめ、準備の99%は整っている」と述べ、時期尚早との意見を一蹴した。

 同国では保険加入者の増加を見越した製薬会社が投資を活発化させているほか、BPJS加入者を治療した場合に診療報酬が低下することを懸念する民間病院が新制度への参加を見合わせるなど、社会保険制度をめぐり動きが慌ただしくなっている。政府の指導力や説明責任が問われる場面も、今後は増えていきそうだ。(シンガポール支局)

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