アベノミクスの効果で消費者物価が上昇し、脱デフレへの道筋は足元では順調だ。ただ、物価上昇は円安による輸入価格上昇の影響が大きく、日銀が掲げる2年で2%の物価上昇目標からは遠い。政府は昨年12月の月例経済報告で「デフレ」の表現を削除したが、デフレ脱却宣言は見送った。消費税増税を実施する平成26年は、景気の本格回復に向け正念場となる。
「デフレ脱却に向け着実に前進している」。月例経済報告でデフレの表現を削除した昨年12月24日の関係閣僚会議。その席で安倍晋三首相はデフレ脱却に強い自信を示した。
景気が上向くと、モノが売れるようになり物価は上昇する。実際、消費者物価は上昇傾向が続いている。総務省によると、昨年11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比1・2%上昇し、6カ月連続のプラスだった。ただ、物価上昇の要因は円安に伴う灯油や電気代などエネルギーの値上がりの効果が大きい。市場では昨年から急激に進んだ円安の効果が薄まる来春以降に、物価上昇が頭打ちになるとの見方が多い。
第一生命経済研究所の嶌峰義清首席エコノミストは、「26年度の物価上昇率はプラス1・0%」と予測する。昨年4月に大規模な金融緩和を導入した日銀は26年度にプラス1・3%の消費者物価の上昇率を見込んでいるが、市場では「日銀の物価目標の達成は困難」との指摘が多い。