マレーシア証券取引所の上場企業の9割が、不正行為を必要悪だとみなしている。地場会計会社KPMGマレーシアが実施した調査で同国企業の不正に対する認識が浮き彫りとなった。同社はこうした上場企業の姿勢を「危険な兆候」だと分析している。現地英字紙スターなどが報じた。
調査は昨年3~8月にかけて上場企業100社を対象に聞き取り形式で実施された。KPMGマレーシアがまとめた報告書によると、90%が不正行為は同国でビジネスをする際に避けられない必要悪だと答えた。また、71%が贈収賄や腐敗による損失は業務上の「コスト」だと認識しているほか、64%がマレーシアでは賄賂なしにビジネスを継続していくのは不可能だと考えていることも分かった。
このほかにも、最近3年間で国内の不正行為が増加したと答えた企業は80%に達し、実際に被害を受けたとする企業も50%に上るなど、同調査では全般に悲観的な反応が目立った。ただし、不正行為は問題だとする回答も83%に上り、不正に対する企業側の複雑な心境も明らかとなっている。