森辺一樹氏【拡大】
□スパイダー・イニシアティブ 代表・森辺一樹
私たちが毎日食べている「和食」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことは、まだ記憶に新しい。そんな食に関連して、今回は食品製造業に焦点を当ててみたい。
食品製造業の世界最大手は、やはり何といってもネスレ(スイス)だ。表の通り、2012年度の売り上げは10兆555億円と2位のクラフトフーズに約4兆5000億円の差をつけている。
ネスレは、日本では「ネスカフェ」「ミロ」「キットカット」などで有名だが、海外ではそれらに加えて、調味料や即席麺の有名メーカーという別の顔も持つ。ネスレの「マギー」ブランドが付いたブイヨンやチリソース、即席麺は、多くの国の小売店の売り場で大きな存在感を見せている。
この食品業界でも米国企業の強さが際立っており、上位10社中5社が米国企業だ。その他、ブラジルのJBSが3位、BRFブラジル・フーズが9位、フランスのダノングループが5位、そして台湾の統一企業が7位にランクインしている。
トップ10に日本の企業は見当たらないが、11位には味の素が1兆1730億円でランクされている。日本企業も捨てたものではない。味の素などは「確かなグローバルカンパニー」に向けたロードマップ(行程表)を明確に描き、既に海外売上比率が40%を超え、海外利益比率に関しては50%を超えている。味の素の海外市場における地道なマーケティング戦略には学ぶものが多い。同社以外にも、日本には数多くの高い技術や品質管理ノウハウを持った食品メーカーが存在する。
それらの企業が今後、真のグローバルカンパニーとして、消費の伸びが著しいアジアを中心とした世界市場で確固たる地位を築く鍵は、やはり何といっても、販路を確保する「チャネル戦略」をどう組み立て、どう実行するかだろう。