新興国経済は、米国が約5年続けた量的緩和策の縮小や中国の景気減速という2つの要因で弱含んでいる。この1月はオバマ政権が量的緩和策の「出口戦略」を開始したタイミングと重なって危機感が増幅されたものの、中国で初のデフォルト懸念が回避され、米雇用統計も市場予想より良かったことで一時的に景気減速懸念が遠のき、金融危機にも陥らずに済んだ。
だが、ここで安心するのはまだ早い。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、アジア版)は、デフォルト回避の手法を厳しく批判している。
デフォルト回避の際に30億元の元本を保証した“新たな投資家”が誰かは明らかになっていないが、当局の意向を受けて国有大手銀などが救済したとの見方を中国紙が伝えた。中国当局が市場原理を無視して救済策を取ったとみられ、WSJは投資家が損失リスクを無視できるとの「巨大なモラルハザード(倫理の欠如)」を作り出したと批判した。
そもそも金融商品へのリスク意識が低い中国の投資家に、「高利回りの理財商品も問題が起きれば、最後は当局が損失補填(ほてん)して救済する」との誤った認識が改めて蔓延(まんえん)した。