昨年3月に策定された基本計画では、約514万人の人口が40年には約1200万人に増加すると予測。ヤンゴン市に専門家を派遣するなどして、総合的な交通システムの構築を手助けしている。
具体策の一つとして、現在は公共交通機関の80%を占めるバスへの依存度を低下させ、鉄道を3%から30%に引き上げる。環状線など既存路線を改良するほか、都市高速鉄道(MRT)5線を新設し、既存の3線とあわせ総延長約350キロを整備する。詳細は協議中だ。
◆「パッケージ型」強み
ただ、これらの都市開発事業を日本企業が受注できるかは別問題だ。
安倍晋三首相は昨年5月、日本の首相として36年ぶりにミャンマーを訪問し、資金協力や延滞債務解消を表明した。しかし、その後の空港や通信といった大型案件の入札では、日本勢が有利になるとみられながら、結局は落札できなかった。価格などをめぐり、他国のライバル企業との競争は激しさを増している。
ヤンゴンの都市開発で、日本企業の比較優位をいかに発揮して落札につなげるか。JICAミャンマー事務所の田中雅彦所長は、技術に裏打ちされた設備や施工能力とともに、その後の運用ノウハウも提供する「パッケージ型提案」が武器になると指摘する。環境や効率性、安全性などに優れた都市運営は、日本の得意とするところであり、長期的なプランが欠かせない。
環状線周辺の線路脇には、掘っ立て小屋や新しいオフィスビルが無秩序に林立する。MRT整備では、路線計画に合わせ、地区ごとに駅ビルや住宅地の開発計画も必要となる。上下水道やゴミ処理、配電なども不可欠だ。